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text/photo 長尾敦子

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12 毛皮の本

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題 名 Toutou Tondu(毛のないワンワン)
著 者 Delphine Perret デルフィーヌ・ペレ
出版社 (c)L’Atelier du Poisson Soluble
初 版 2005年11月
サイズ 155×155
購入場所 2009年11月 パリ/CHANTELIVRE
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久しぶりに、パリ6区のSevres Babylone(セーブル バビロヌ)にあるCHANTELIVRE(シャントリーブル/13, rue de Sèvres 75006 Paris)という絵本専門店に行きました。ここは約5万冊の絵本が揃っているそうですが、その時期に開催されている美術展などの関連書籍や写真集なども扱っていて、本当に何時間いても楽しい書店です。
フランスの絵本のキャラクターで有名なのが、「ゾウのババール」(ブリュノフ作/フランス1931)。イギリスやドイツなどの童話に比べて、重厚でなくずいぶん軽い調子のイラストレーションなのがフランスらしいところ。しかし、ババールのお母さんが撃ち殺されるところからお話が始まる、かわいいだけの童話ではありません。
Toutou Tondu(毛のないワンワン)は、男の子が犬の短い毛をのばすためにいろいろな事をしたら、毛むくじゃらの犬に大変身。しかし、どんどん増える毛皮をもてあまし、結局美容院で元の姿に戻した、というお話。この本もまた、色鉛筆で書かれたイラストレーションはごく軽いタッチです。可愛らしい絵でも、時々ブラックな匂いを感じる事があって、それはヨーロッパの絵本に共通しているような気がします。

この絵本をひと目で気に入った理由は、ご覧の通り、毛皮付きの表紙です。最初の思いつきをそのまま作ったような、なんてストレートな楽しいアイデアなのか。毛皮が付いているからと言って、ビニールでパックされているわけではないので、ワゴンの中でぼさぼさになって並んでいました。こんな売り方が可能なのは、この書店ならではなのでしょうか。(たまたま側にいた小さな女の子と私は、ぼさぼさの毛皮を見かねて、5冊分を一緒に手ぐしでとかしました。)もし、ぴっちりとビニールで真空パックされていたら、ずいぶんと印象が違っていたはずです。
内容を訳してもらうと、発音を練習する目的の絵本だと言う事が分かりました。「〜ゥ、〜ュ」の発音練習になる文章は、なんだか可愛らしい音が並びます。冒頭はこんな感じです。

トゥトゥー・トンデュ
アン・マタン・ト・リュ・デ・モントゥー
アン・トゥトゥー・マ・フェ・レズュー・ドゥー
アン・プティ・トゥトゥー・トゥー・トンデュ
ソンエー・カロ・エ・ソン・ポワル・ドリュ
ル・トゥトゥー・マ・トゥー・ド・スイット・プリュ

物語の訳もご紹介します。現実的なところから、いつの間にか妄想の世界に飛んで行き、また現実に戻ると言うような、子どもの頃に誰もが持っていた感覚を思い出しました。(長尾敦子)
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